術前の口腔のケアはあなたの命を守ります
知っていますか?
周術期等口腔機能管理
周術期等口腔機能管理とは、全身麻酔手術や抗がん剤、放射線治療の前後に口腔のケアを行って治療中の思わぬトラブルを予防することです。
お口の中をしっかり管理していないと、次のようなトラブルを引き起こす可能性があります。
お口の中は、ばい菌がいっぱいです。
お口の中には排泄物より多い微生物がいるといわれています。その数なんと、4,000億個!!
きれいなお口で手術に臨んでください
麻酔科医からみた周術期等口腔機能管理の必要性
全身麻酔では、口から気管の中に柔らかい樹脂製の管を入れて人工呼吸器につなぎ、機械で呼吸を行います。
このとき、2つの問題が生じます。
このとき、2つの問題が生じます。
問題(1)
グラグラした歯があると、管や器具が当たって抜けてしまうかもしれません。
問題(2)
麻酔中は飲み込む動作がなくなるため、のどの奥に唾液がたまります。
口が汚いと、汚い唾液が気管の中まで垂れ込んで、肺炎を起こす可能性があります。
麻酔終了時、口の中を吸引すると、唾液がたくさん引けてきます。吸引だけでは除ききれません。術前に是非とも口をきれいにしてください。目標は、グラグラした歯がないことと、口臭がしないことです。
術前の口腔のケアはあなたの命を守ります。
横浜市立大学附属市民総合医療センター病院長
横浜市立大学医学部麻酔科学 教授
後藤 隆久